我社には一軸のスリッターがある。
通常、紙の原反は、原反ロールの端面が真っ直ぐで乱れていないので、EPCの必要は無い。
しかし、近年、紙以外のスリットの需要が増えてきた。
フィルムなどは、必ずしも原反の端面が真っ直ぐではない。極端な場合、端面がタケノコのようになった原反もある。
このような場合、通常はEPCでフィルムの端をセンサーで読みながら、ズレてきたら、原反そのものを左右に動かして、ズレを補正する。
つまり、原反がタケノコでも、刃が外れること無くちゃんと製品が仕上がるというわけだ。
と言うわけで、フィルムスリッターには、殆ど例外なくEPCが付いている。
我社のフィルムスリッターにも当然EPCが付いている。
それでいいのだが、スリット加工の注文が混んでくると「猫の手も借りたい」状態になってくる。
特に耳裁ちだけのスリット加工なら一軸でも問題ないのでEPCさえついていたら、使えるのにと思いながら機械をしげしげと眺めていた。
すると、あれ?この機械、原反を左右に動かす装置が付いているではないか。勿論、EPCではないので、手動ではあるが、ちゃんと油圧シリンダで原反台を左右に動かせる。
操作盤を見てみると、原反を動かす「右」と「左」のボタンがあった。 しかも単純なa接の押釦だ。
油圧シリンダをON OFFするためのソレノイドバルブをON OFFしているだけ。
筆者は電気は素人であるが、センサーとセンサーコントローラがあれば、割と簡単に、EPC装置が出来そうな気がしてきた。
頭に浮かんだロジックは簡単である。
3個のファイバーセンサーでフィルムを検知する。
左センサ ON 中央センサーOFF 右センサーOFFで
シリンダ「右」ON 保持
左センサ ON 中央センサーON 右センサーOFFで
シリンダ「右」ON 保持解除
左センサ ON 中央センサーON 右センサーONで
シリンダ[左」ON 保持
左センサ ON 中央センサーON 右センサーOFFで
シリンダ「左」ON 保持解除
以上の繰り返し。
これでうまくいくはず。
用意した電気部品は
ファイバーセンサー (投光 受光)式 3組
センサーコントローラ 3
DCリレー 2
トグルスイッチ 2
これだけ。
結果は、良好で、耳裁ちのみのフィルムスリット加工ならこの一軸スリッターで十分戦力になっている。